子連れ狼、劇画とドラマ比較感想・その一

子連れ狼の原作劇画のあらすじと感想です。
その一とその二は、大五郎が活躍する話の感想をドラマと比較しながら書いてみます。

某所より、引越し・編集中。以下追記予定

いちばん好きな話は、

4巻 其之二十二「別れ霜」
大五郎のけなげさ、たくましさ、賢さが、存分に描かれていてとても良いのだ!

土地の者が ひとときの憩いを
求めるために 造ったものであろうか
小高い城跡とおぼしき 朽ちかけた東屋で 
その子は 雨を見ていた
(本文抜粋)

この心地よい文から、物語ははじまる。
岸田今日子さん(北大路一刀&小林大五郎版ナレーション)の声が聞こえてくるようだ…。
なかなか戻ってこぬ父を、探しに出た大五郎。
いくつかの古刹で疲れ果てた大五郎に剣客・伊木地左門(名乗りは後半なのですが)が気づく。左門は、大五郎の眼を「死生眼」と見てとり、大五郎の様子をうかがう。

・大五郎、ひもじさにお墓のお供えを取るのだけど、大五郎は、自分の着ているものを代わりにお供えして、ぺこ とおじぎをして取るのだ!
くぅ~かわいい…。(これは、萬屋版でもありました。どの話かは忘れてしまったが…)

・大五郎、焼畑の中に入っていってしまう。周りを火と煙にまかれてしまう、絶対絶命大五郎。しかし、大五郎はわずかに残った湿地のまわりに防火帯をつくり、自らその泥の中に身を沈めるのだ!
か、かしこい…(左門はどうしてるかというと、見過ごすわけにはいくまい!と一時は思うのだが、「死生眼」を確かめる機会といって、助けることなく遠巻きに見る)
ひ、ひでぇ…
・風向きの具合がよかったこともあり、大五郎は焼け跡から農民たちに助けられる。「おさむれえさまのわらしで?」と問いかける農民たちには答えもせず、「まさしく死生眼」と、左門は刀に手をかける。
わてふためき飛びのく農民。だが、大五郎は無言で立ったままだ。

そして…大五郎は、それに対して、小枝を拾い立ち向かう。
かっこいい…
「おお水鸚流斬馬刀の構え!」
放たれた殺気に感応する宿命の子

「もはや わっぱとは思わぬ!」
絶対絶命の大五郎。

しかし、大五郎の顔に明るさが!
ちゃん!」

父・拝一刀が道の先に。だんだん近づく一刀。
(ここの絵が劇画だけあって、映画チックなんです。ひきの絵からだんだんアップになってくる。アレです)

一刀と左門の戦いは一刀が一撃で終わり。
その後、大五郎を看病する父、一刀。
回復した大五郎を抱きかかえる一刀。

二人の後姿。

最後の春霜が 焼畑一面に降りていた…
この別れ霜を境に 季節は新緑に向かう しかし 明日を断たれた この宿命の父子には…


私の拙い説明では、この良さが伝わらないとは思う。(ああ、ほんとあらすじを上手に書くのって難しい…)。が、とても好きな話だ。


7巻 其之35 「牙の夜」
木場での綾姫殺害を目撃してしまった大五郎。犯人の追跡を逃れ、丸太置き場に隠してあった凶器の弓矢を発見し、犯人を告発!追う犯人・甚内から逃げたり、凶器の隠し場所をトントンと叩いて探たりと、大五郎のかわいさ、かしこさが余すことなく表現されている

萬屋ドラマ版では、「新蔭流山彦」の話もプラスされている。犯人の許婚である娘が犯人の手によって斬られてしまう。花をたむけ、その死を悼む大五郎……。が、あまりひっぱらない。あっさりとしている……。

7巻 其之40 「御定書七十九条」
女スリ・お葉は、盗んだ胴巻きを大五郎に渡す。「ちょっとあずかっておくれ」との彼女の言葉を受け止めた大五郎。お縄になって三十敲きの刑に処されそうになっても、お葉が自首をしても、必死になってただ一心に「ちがう」と、お葉をかばう。「ただあずかってくれ」。この言葉だけで、頼まれたことを必死になって裏切るまいとした大五郎。『依頼』と感じて、ひたすら守り貫く大五郎がけなげ。放免となり走り去る大五郎の後ろ姿が印象的。(ドラマは未見。北大路版では第一部で放送とのこと。見てない放送分のうち、ぜひとも見たいベスト1である。しかし、見てはいなくても、「ちがう」の声は聞こえ、表情は私の脳裏に浮かびまくるのであった。)

劇画では、放免となって去り行く大五郎の背景は無地で白く、また大五郎の背は小さい。それが、大五郎の孤独をあらわして良い!
萬屋版では、放免となって去り行く大五郎の前には一刀がいて、ちょっと安心する。これはこれで良いなぁ。
あと、岡っ引きと一刀が出会うシーンがプラスされている。岡引は一刀をかばう。そして、大五郎が一刀の子であることを確認して、なるほどなぁと思うところが良いなぁ。

8巻 其之43 「なみだ糸」
拝に斬られた笠間大輔の妻・一途。夫の仇を討つべく、夫の菩提寺で待っていた一途。拝と、いざ、立ち会い。その時に、大五郎は氷のはった池に落ちて溺れてしまう。案じる一途に「お気づかいはご無用。まいられい!」」と助けようとはしない拝。一途はたまらず、武器の鎖を池に投げ入れ、大五郎を救おうとする。が、大五郎はその鎖にすがらず、自ら這い上がる。~前略…常に戦いの渦中に在る宿命の子だった必死で這い上がろうとする大五郎のバックの語りが泣けるドラマは本日時代劇専門チャンネルにて放送

10巻 其之51 「大五郎絶唱」
柳生烈堂との戦いのさなか、おんぶ紐が切れて大五郎は崖から転落する。瀕死の大五郎を助けたのは、侍を捨てた男と息子・茂作だった。男は、不肖の息子を案じ、自ら辞して山中に。二人は静かに暮らしていた。
その住処に柳生の配下三人がおとづれる。彼らの大五郎への殺気を感じた男は、「茂作ッその子を連れて逃げろ」「よいかッ、その子を守るのだぞ」と告げ、自らは柳生に立ち向かう。二人を斬ってのけるが、一人を残し絶命する。茂作は大五郎をおぶり、泣きながら逃げる。が、配下に追い詰められ、一人、丸腰のまま体当たりを試み、配下に斬られながらも、配下とともに崖から落ちる。
一人、残され、涙を流す大五郎。涙を知らない子であった。中略。生まれてはじめての悲しみの涙であった。
大五郎の涙にも泣けるが、茂作の決死の覚悟が胸を打つ。茂作の「うわ~~~~ン」の泣き顔もことさら印象的。
劇画では、父・拝一刀は出てこず、その後数話は一人ずつの話が続く。

北大路ドラマ版では、この男には「谷口半兵衛」と名が与えられ、テキサスこと実直・きまじめ・誠実な役をやらせりゃ日本一・勝野洋さんが演じている。息子(与一郎に変更)は気が弱くいじめられっ子で口が聞けない。との設定。「大ピンチに、失われていた声が出る!」というシーンは、お約束ではあるが、たまらなく良い!また、一刀が出てくるので与一郎は無事生き残る。悲劇性は劇画がほうが上回っており、劇画の息子の死が(ドラマが初見だったこともあり)大五郎同様、ことさら悲しい…。
半兵衛を弔うラストシーンでの火も印象的。また、大五郎と与一郎がいじめっ子に立ち向かっていったり、兄弟のように遊ぶシーンなど付け加えられたシーンがほほえましい。大五郎を探しに来た一刀が、半兵衛の誘いを断りきれずに、逗留することとなり幸せなひとときを過ごすが、それが悲劇を予感させて、せつなさを増している

萬屋版は放送予定あり。

今回もあらすじ網羅で完全ネタバレですが、劇画やドラマの持ち味を損なうとは感じておりません。

むしろ、このお話をぜひとも漫画で読んでくださいませ。

プロフィール

ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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