7爆弾魔を捕縛せよ!

7爆弾魔を捕縛せよ!

北町奉行所は、大騒ぎとなっていた。
真昼に池で爆音とともに水柱がたったのだ。幸い、怪我人は出なかったのであるが、驚愕の投げ文が奉行所に投げ込まれていたのだった。

そこには、池での爆発と先の古寺の犯行が火付けであることを告白する文面が書かれていたからである。

「ちきしょう、なめた真似しやがって」
兵助が憤る
「やっぱり、単なる不始末じゃなかったんですね」
と、一郎太も続ける。

「それにしても次の火付けの予告までするとは」
八兵衛が唸る。

「それに、単なるいたずらじゃねえのか」
「そう、そう」

磯貝と源吾が少し気まずそうにしながらも去勢をはる。

孫右衛門は、じっとその文面を見つめて黙ったままだ。
「孫さん、何かしら感じてることがあるんじゃないですか?」

八兵衛が、水を向けたが、それを磯貝が遮る。

「孫右衛門は、ことなかれ主義だからな。面倒なことになったなあ。と、感じてるだけだろう。それにお前さん、最近、内職どころかさぼってること多かったよな。たるんでるんじゃないか?」

「えー、そ、それは、磯貝さんが思ってることだし、し・て・ることでしょう!」
と、またまた兵助が憤慨した。

「兵助さん、落ちついて、落ちついてください。怒りを向ける方は、こいつです。これを書いた奴でしは」
一郎太が、文を指さしなだめた。

孫右衛門が投げ文を改めて読み直した。

「先の古寺の火付け、池での仕業は我らの決起の証なり。千代田のお城が燃える日近し。まずは、汝ら、気をつけたし。世直し組」


孫右衛門は、静かに言った。

「ふざけた野郎だ。まったく!」
一郎太が唸る。

「組ってことからするに、罪人は一人じゃないってことでしょうか。そして、次の狙いは、この奉行所かと思われます」
孫右衛門は冷静だ。

「あの古寺の燃え方も、単なる火付けにしては酷かった。何か爆薬を仕掛けたんではないかと思うんです。孫さんは自分でも火薬玉作るから分かるでしょ」

「ああ、その通りだよ、八兵衛さん」
と、孫右衛門は答えた。

「てめえら今まで何やってるんでい。火薬を扱う場所をしらみつぶしにあたったのかい?」

それまで黙って聞いていた青山がやっと口を開いた。

「いえ、実はまだすべてというわけではありませんが、色々あたっています……」
と、孫右衛門が口を開いた。

「あら、珍しい!楊枝作らずに消えてると、思ったら、探索してたんだ」
源吾が驚いた。

「火薬が盗まれたとかなくなったというところは、調べた限りではありませんでした。……」

「では、ひょっとしたら、作ってるってことかもしれませんね」
八兵衛が静かに言った。

「火薬をこそこそ作ってるって、この広い江戸のどこを探せってんで。全く……」
磯貝が首を傾げる。

「……物じゃなくて、人だ」

「は?人?」

「火薬の知識を持ってる者、扱ってる所で不穏な動きをしている奴や消えた人間。片っ端しから当たってきやがれ!文など送ってくる野郎だ、自分には力があるってことをみせたいんだ。何かしら態度に出てるだろうさ」

「なるほど、さすが、青山様!」
磯貝が頷いた。

「感心してる場合かい?磯貝よ、そんなにのんびりしてると、いちばん先に吹っ飛ばされるかもよ」

磯貝は、自分の頭が胴体と離れてぴゅーと、吹っ飛んでいくところを想像して震えた。
「そ、そんな、青山様!」

「とっとと調べてきやがれ!」
青山の一喝に同心たちは弾けるように出て行くのであった。

孫右衛門がその場に残った。
「青山様、ご報告があります」
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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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