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4爆弾魔を捕縛せよ!

その四 爆弾魔を捕縛せよ!

北町奉行所与力の青山久蔵である。

八兵衛と孫右衛門は起立して一礼をしたが、酒の匂いに、八兵衛は少しむっとした。
「青山様、これは、また早起き、こんなに早くに現場に来られるなんざ、早耳でいらっしゃいますね」

「いや、別に、酔い醒ましに歩いてただけでぃ」

「そうですか、朝酒。早酒とは結構なことですねえ」
八兵衛は皮肉を言ったが、青山は、ふっと軽く返す。

「おいら、与力だから。捜査や探索はお前ぇたち同心の仕事だろ。早く行きな。おいらは、捕物出役が仕事。だいたい、非番の日は飲もうが寝ようが、勝手にさせて貰うよぅ」

と、言いながら、青山の眼には、鋭い光があった。

この青山久蔵という男、確かに、捕物になると、非のうちどころがない。

悪党には容赦がないが、それ以上に部下にも厳しい。徹夜での捜索などざらである。
時には、上の者にも意見し、時には脅しをかけてでも取引をするような男である。
自分では捜査はしないと、言いながら、実は裏での単独捜査は茶飯事で、情報は、同心の誰よりも先に取得し、打つ手はことごとく、先読みしての捕縛であった。

「はい、ごもっともです。では、私も、兵助たちに遅れをとらないよう、聞き込みに参ります」

八兵衛は、町の者に対する優しさを同心たちにも分けてくれよ。と、思いながら現場を去った。

青山はとっくりをぶらぶらさせながら、孫右衛門を見据えた。
「孫よ、お前、何か感づいたんじゃ、ねえのかい?」
「はい……ですが……」

孫右衛門は言い淀んだ。

「お前ぇさん、八のこと、じっと見て何か言いたそうにしてたじゃないか?でも、口を開かなかった。何故だい?」

青山は二人と、同じように煤の匂いを嗅いだ。

「……それは、確かな証があったわけではありませんから。曖昧なことを口にすべきではないと思ったからです」

孫右衛門ははっきりと言いきった。
「そうかい。おいらは、わかるぜい。お前ぇの推量がな」

「青山様……」
孫右衛門と青山は、八兵衛の後ろ姿を目で追っていた。
プロフィール

ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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