3 爆弾魔を捕縛せよ!

その三

霧がたちこめる早朝の木立の中である。

八丁堀の同心らは、岡っ引きの徳松に案内されて火事跡に来ていた。

古寺はかなりの勢いで燃えたとみえ、まだ、くすぶっていた。
「焚き火の火が燃え移ったのでしょうか?かなり燃えてますね」
と、松井兵助が磯貝総十郎に問うた。

「おおかた、昨日、突風が吹いたんだろうな。焚き火の不始末だろうな」

「そうでしょうか?ゆうべは風はあまり吹いてなかったような」
古川一郎太もいぶかしげに問う。

「だから突然吹いたんだろうさ。だから突風って言っただろう」

「今日は霧が出てます。霧が出る時って風が吹かないような気がします」

一郎太は更に突っ込んで聞いたが、磯貝が口を尖らせた。
「じゃあ、霧の前に吹いたんだろうさ」

「それに、もし、つけ火なら火盗改めが出番ってくる。うちは追っ払らわれて用なしだよ。磯貝さん、ここは火盗改めに任せましょう」
お調子者の吉岡源吾が、眠そうな声を出す。

「磯貝さん、源吾さん、この徳松が、いの一番に、うちに、北町奉行所に、知らせて来たんですよ。みすみすこの現場を火盗改めに持っていかれてもいいんですか?つけ火するような悪党はすぐにでも取っ捕まえないと、また、つけ火をしますよ!真っ先に火事場を見つけた私達で捕えねばなりません!」

兵助は息巻いた。

「私達の中には、私達二人は除けといてね」
源吾は、磯貝と自分を指差した。

「後は任せた」
と、磯貝は、源吾とともに立ち去るのだった。

「まったく、あの人たちには、頭に来る!」
怒る兵助を一郎太はなだめた。
二人は、不審者を探すと言って、現場を後にした。

八兵衛は孫右衛門とともに、焚き火跡と、みられる跡に手をつけ匂いを嗅ぐ。
八兵衛は、
「孫さん、かすかですが、火薬の匂いがしませんか」
と、孫右衛門に聞いた。

「ああ、そうですね。します」
そう言ってから、孫右衛門は八兵衛の顔をじっとみた。

孫右衛門が作るのは、楊枝だけではない爆玉も作るのだ。

捕物出役の時には孫右衛門のお手製の爆玉が炸裂する。
辛子粉なども入っており、敵に脅威であったが、時々、見方も被害を受けることもあった。

かがんだ二人の間に、着流しの裾がみえた。

「あ、青山様!」
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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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