13狙われた看板娘

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それだけ言うと、青山は、別段あわてる様子もなく去っていった。

「弥生堂には兵助と一郎太が見張っている」と聞いた八兵衛であったが、お雪のことが気になり、急ぎ家に向かった。

二人がいなくなったが、源吾と孫右衛門が変装しておみつを見張りに来た。

源吾は虚無僧姿である。孫右衛門はいつもどおり楊枝の店を広げた。

「孫さん、おみつは何か知ってるはずでしょ。くそっ、番屋にしょっぴけばいいいものを」
と源吾はつぶやいた。

「青山様からの、『おみつを泳がせろ』のご命令だ。源吾、ま、じっくり見張っておけば、何か動きがあるでしょう」

ほどなく、おみつが長屋から出てきた。
源吾は孫右衛門に合図を送って後をつけた。

池のほとりでおみつは男と会っていた。
源吾はその男を見知っていた。
つる屋の常連、大工の政吉であった。


孫右衛門も源吾と合流した。源吾は、孫右衛門に愚痴った。
「見てくださいよ。あの野郎!お雪だけじゃなく、おみつまでにちょっかい出しやがって」
虚無僧姿のまま悔しがる源吾である。しかし、冷静な孫右衛門は二人の様子に違和感を覚えた。源吾も気づいたようである。

二人は逢引きという感じはしない。何かもめているような様子であった。

「くそっ聞き取れない。もう少し近づこう」

しかし、政吉は、おみつから離れて行ってしまった。源吾は大工の政吉の後をつけ、孫右衛門はおみつの後をつけた。
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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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