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16狙われた看板娘

16狙われた看板娘
 
八兵衛は、おみつを見張るためつる屋に出向いた。しかし、おみつは、いなかった。「長屋にもいない」と、お駒は心配そうにつぶやいた。

 お駒は、お雪とおみつが、政吉に恋をしていることに気がついていた。お駒が、少し不安そうな顔をして、言いよどんでいたことは、二人のことを案じていたことと、また客である政吉のことを悪く言いたくなかったためだった。

「ええ、お雪は、最近うきうきとした様子でした。そして、それを、じっと耐えるかのようにしておみつがお雪のことを盗み見ていたことも知ってはいました。でも、八兵衛さん、おみつが、お雪をひどい目にあわしただなんて、そんなことは信じたくありません!そんな娘じゃありません。もし、万が一、おみつが罪を犯したとしても、それを話してくれずに、何も言わずに消えるような娘でもありません!」

 八兵衛は、つる屋を出た。店の裏口から中を伺うような女がいた。おみつであった。八兵衛に気づき、逃げようとしたおみつの背中に、八兵衛は、優しく声をかけた。

「店のことが気になったんだろ。毎日、毎日、休まず、働いてきたおめぇだもんな。その裏口。毎日、戸を拭いてるんだろ。土間も掃き掃除して。店の前をきれいに掃除するのは、勤め人として当然のことだろうけど、そうやって、人の目につかないところを、毎日、毎日、ちゃんと磨いてるのは、なかなかできないことだ」

「自分の働くところだから、きれいにしておこうと思ってやってるだけです」
と、おみつは声をふるわせながら答えた。

「お駒もおめぇのことを心配してる。どうか話してくれないか、何があったのかを全部!」

 振り返ったおみつは、八兵衛が頭を下げているのが目に入った。

「八兵衛さん……」
 おみつは絶句するしかなかった。(追いかけて、強引にしょっぴかれてもいいものを、この人は、私が話そうとするのを待ってくれている)そう思うと、胸が熱くなった。

テーマ : 時代劇
ジャンル : テレビ・ラジオ

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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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