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18狙われた看板娘

18

 涙をぬぐい、おみつは話を続けた。

「あの男はこう言ったんです……。『盗人の仕業に見せかければいい。お前と俺が黙っていればわかりゃしない』私をかばってくれていると思いました。でも、それは大きな間違いでした。政吉は金の無心をしてきました。私が少しばかりの金を渡しても、政吉は、なんだかんだと理由をつけて、毎日私に金をせびってきました。政吉は『つる屋の金庫ってどこにあるんだろう』などと言うようになりました」

おみつはため息をついた。

「まさか、金をまた盗む気なの?私は怒りました。が、政吉は、『つる屋は儲けているんだから、少しぐらい金を取ったところで、困るわけじゃない。つる屋にすれば、ちょっと怪我をするぐらいなだけだ。それを取って逃げよう。上方にでも行って、二人で商売でも始めよう』って。」

「なんてぇいい草だ!」
八兵衛は憤った。

「ええ、私も、そんなことはできないと思う反面、でも、何か不思議と心がざわめきました。政吉は、すごむわけでもありませんでした。そばでも食いに行こうとでも言うように、楽しげに言うのです。『毎日、毎日、下ばっかり見て働くのって、嫌だよなぁ。上見て楽しく暮らしたいよなぁ』って、微笑を浮かべながら言うんです」

八兵衛はあせった。
「まさか、まさか、おみつ!政吉と手を組む気になっていたんじゃないだろうな」

「今日は、おかみさんから、金庫の場所を聞こうとさえ思ってしまいました」

「そ、そんな馬鹿なこと!」

「でも、できませんでした……」
「よかった。おめえが踏みとどまってくれて」
八兵衛は安堵した。

テーマ : 時代劇
ジャンル : テレビ・ラジオ

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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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