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4狙われた看板娘



 同心六名が騒いでいるなかに、背の高い男が現れた。与力の青山久蔵である。
「何、しゃべってるんだ。男が顔つき合わせて。囲炉裏端でのんきなもんだな。おい」

青山の登場に、皆一斉に口をつぐみ、居ずまいを正した。

「今、商家を荒らしている、盗人一味、『はやぶさ』の頭でもしょっぴいて来ようっていう根性のある奴はいねえのかぃ?」

この男、人呼んで北町の『剃刀の久蔵』盗賊たちからはもちろんのこと。また、奉行所内でも、恐れられている男である。

「はい。その件につきましては、今、鋭意探索中でありまして。しかし、何分手がかりは、紙切れ一枚でありまして……」
磯貝がしどろもどろに答える。

「『はやぶさ』などと気取りやがって」
と、青山が舌打ちをした。

「鼠小僧のまねでしょうかね……」
と、孫右衛門がお尋ね書きを差し出した。しかし、そこには、似顔絵はない。
「金も盗んで行くが、大事な雇人も盗んで行くそうです。肝になる雇人が消えてしまうそうなのです。残されているのは、『はやぶさ』という紙切れだけ」

「盗人は、大概、『引き込み』といって、自分の仲間を店に忍ばせて、押し入るものだが、どういうことだ」青山が首をひねる。

「仲間にひきいれるのが上手い。つまりは、よほど、口が上手いのでしょうな。あははは」
磯貝総十郎が笑ったが、皆、空気の読めない総十郎にひきつった。
案の定、青山は扇子で総十郎の額を打った。

「笑ってる暇があったら、さっさと、市中に聞き込みにいきやがれ」

「はい!行ってまいります」
いつもなら、青山の人使いの荒さにむっとしながら、しぶしぶ出かけていく源吾なのだが、今日は違った。

「はいはい、仕事も一生懸命ですよ。では、探索に行ってまいります。でも、その途中に、飯ぐらい食べるのはいいですよね。食わなきゃ力でませんからぁ」
飄々とかわし、行ってしまったのである。

テーマ : 時代劇
ジャンル : テレビ・ラジオ

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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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