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8狙われた看板娘


 数日がたち、源吾は、一人の女を奉行所に連れてきていた。
その女は、以前、お雪に水をかけられて、憤慨していた女だった。
名を中里しおりといった。

「これを見ろ!」
と、源吾は、お雪が書いた紙を見せた。
「しおりと書いているじゃないか!お前がやったんだろ!」

磯貝総十郎も、しおりを攻め立てた。
「お雪は、今、記憶をなくしているが、お雪が思い出したらすべてわかることなんだぞ!」

だが、しおりは男二人の尋問にひるむことはなかった。

「ええ、思い出していただけると、わかると思います。私には何も関係ないことが、はっきりと、わかると思います!」

そんな二人の尋問を、花田孫右衛門は黙ってみている。

 そこへ、いつもの通り、ぬぅっと青山が顔を出した。そして、何も言わず、しおりの顔をじっと見つめた。何かを思い出すかのように……。

しおりの方が先に「あっ」と声をあげた。
「青山……久蔵……」
「しおりかぁ。しおり、大きくなったなぁ。昔はこんなに小っちゃかったのに」
と、青山は、珍しく笑みを浮かべた。
が、しおりは、「昔にしても、それほど小さくはありません」と、そっぽを向いた。

「え?お知りあいですか?」
孫右衛門が、二人の顔を見比べた。
「ああ、いとこってことになるかな」


兵助と一郎太の二人は、しおりの証言を裏づけをとって帰ってきた。
「その女と、お雪は面識はありません」
「その日は、一切外に出ることはなかったそうです。しかし、なにぶん家族の証言ですが…」

総十郎は、二人の言葉を途中でさえぎった。

「ええ?!あ、青山様のご親戚筋の方だったとは、いやはや、そんなお人が下手人であるはずがございません。おい、源吾!もっとちゃんと調べて来い!」
前言撤回の豹変ぶりはいつもの通りである。
そんな総十郎を見て、源吾は、口をつぐみ憮然とした。

青山は、そんな総十郎の態度を鼻で笑った。
「おいらの親戚だからといって、罪を犯してないとは言い切れないぜ」
「私は、何もしていません!」

しおりの証言の裏づけはとれなかったが、確たる証拠もなかったため、しおりは、放免されることになった。 ほっとした顔もみせず、しおりは悔しさをにじませた。

「見立て違いもたいがいにしてください。こんなできの悪い方たちが、江戸の町を守っているなんて信じられないわ。私が、下手人を捕まえて、ここに連れてきてみせます!自分に注がれた汚名は自らの手で返上してみせます」

テーマ : 時代劇
ジャンル : テレビ・ラジオ

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ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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