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その五 少年と盗賊

八丁堀の七人 少年と盗賊

その五

月変わりとなり、北町奉行所の月番となっていた。
北町奉行所の一室では、六人の同心たちは、与力、青山久蔵の前でうなだれていた。

錠前破りの盗賊が、江戸の町を暗躍していたからだ。そして、昨夜も蔵が荒らされた。
もちろん、同心たちも、見廻りはしていた。しかし、取り逃がしてしまったのだ。

原因は、一通のたれ込み文書だった。
その蔵の前で待ち構えていたが、見事に空振りし、別の場所で蔵は破られた。
屈辱と恥辱に皆はうちひしがれていた。

青山の機嫌はすこぶる悪く、部屋には、青山が扇子を膝ではたく音だけが響いていた。

「あ、青山様」
沈黙に耐え兼ねたように、磯貝総十郎がおずおずと口を開き、「申し訳ありませんでした!」と、頭を下げた。
一同も揃って黙って頭を下げた。

青山は、口を開かなかった。

「申し訳ございませんでした!」
今度は、皆声をあわせて、青山の前でひれ伏した。

扇子を叩く音が止まった。
「誰に謝ってんだ」
その低い声は、地獄の底から響いてくるようだった。

「あ、青山様に」
吉岡源吾が縮みあがりながら、上ずり答えた。
「馬鹿野郎!」
青山は一喝した。
「おいらじゃねえだろ!謝るのは!蔵を破られ、大ぇ事な金奪われた町の者んに対してだろう」

「は、はい!」

「今日はこれまでだ。どんな小さなことでもいい、明日からも、手がかりを探して探して探し抜け!」

「はい!」

青山が部屋を後にすると、皆は一斉にため息をついた。

プロフィール

ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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