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その七 兵助、怒りの鉄拳!

その七

八兵衛は、奉行所に戻り報告した。
六人の目の色が変わった。

「毒……」
「毒のせいで、そんな色が浮かんだのでしたか!」
皆、口々に「毒」「毒」とつぶやいた。

「そういえば」と、孫衛右門がはっとした。
「証言を翻したのは薬売りの三吉だった。」

「薬と毒。お互い、真逆のものではあるが、気になるな……」
一郎太が考え込んだ。

「くそう、その薬売りを探します!!」
兵助の大声に、源吾が悲鳴をあげた。
「え~この広い江戸を?しかも、7年前のことだよ。その三吉って奴は、江戸にいないかもしれないじゃないか」

「兵助さん、私も行きます」
若い二人は率先して、同心部屋を出て行った。

青山は、今度は何も言わずに、源吾をぎろりと睨んだ。

「はい、はい、わかりました。行けばいいんでしょ。研ぎ師探しに、薬売り探し。行けばいいんでしょ……」
源吾の声は少し涙ぐんでいるようだった。
そして、青山を残し、六人は、探索へと出かけていったのだった。


しかし、探索は遅々として進まない。
誠之助の事件から、三日が経っていた。

兵助はあせっていた。語気が荒くなったと思えば、不意に沈んだりと、心が落ち着かなかった。
同心たちも、そんな兵助に気を遣い、あえて口をつぐんだ。

しかし、あまりに憔悴した兵助の顔を見て、八兵衛は声をかけずにはいられなかった。
「おい、兵助、昨日も寝てないんだろう。ちょっとは、家に帰って休んだらどうだ。」

「大丈夫です。八兵衛さん。叔父上を殺した下手人をあげるまでは、休んでなんかいられません」
「だが、なぁ、兵助、しっかり動くためにも、少しは休んだ方がいいよ。青山様には私がうまく言っておいてやるよ。だからな、兵助」
「ほんと、大丈夫です」
兵助は、青ざめた顔に少し笑顔を浮かべて言った。
「しかし、なぁ」
なおも止める八兵衛を振り切るようにして、兵助は、同心部屋を後にした。
プロフィール

ひらたま@でんぷん

Author:ひらたま@でんぷん
山口県在住 
女性(若くないです)
O型、蠍座
八丁堀の七人と、子連れ狼の大五郎が好き

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